Ⅱ 二者択一は選ぶなB 持ち時間(2)
Pピリ将
「3姉妹ピリ駒ちゃん」(制作:びわのたねさん)
Ⅱ 二者択一は選ぶなB 持ち時間(2)
アマチュアの将棋には、将棋の大会に出場する場合と、ネット将棋の場合に大別されます。
そこで、今回は後者について、中でも人気の高い「将棋ウォーズ」の持ち時間を例に、お話してみましょう。
以前のブログでは、ネット将棋といえば「将棋倶楽部24」というわけで24を例にしていたのですが、今ではすっかり「将棋ウォーズ」がネット将棋の玉座に就いている感があります。もちろん、他にもさまざまなネット将棋があるので、それぞれ楽しんでいただきたいと願っておりますが、私の身近ではやはり「将棋ウォーズ」が多いので、これを例にするまでです。
「将棋倶楽部24」は、「30分切れたら1手60秒以内」「15分切れたら1手60秒以内」「1分切れたら1手30秒以内」の3種の持ち時間でスタートし、今は早指しの種類が増えているようですが、割と持ち時間に余裕があります。秒読みがあり、30秒は確保されていたからです。
ところが、「将棋ウォーズ」では、「初手から10秒」「3分切れ負け」「10分切れ負け」の3種類となり、スピード感が上がりました。これは忙しい現代人にはありがたく、短いスキマ時間でも、将棋が楽しめるようになりました。
ただし、ここで重要な問いが浮上します。「将棋ウォーズ」だけでよいのか、と。
少なくとも、この3種以外にも持ち時間が存在するということは知っておいてほしい。むしろ極端な持ち時間が当たり前とされることは、今後の将棋文化にとって、あまりよいことではないのではないかとの危惧があります。
というのも、後述する将棋の大会などは、こんな極端な持ち時間はありえないので、将棋ウォーズで強くなっても、実戦では勝てないということが起こりそうですし、実際、起こっているようです。
ところが、長い時間のネット将棋だと、ソフト指しの疑いが拭えないという、もう1つの問題点が指摘できます。
これは深刻な問題で、プロでも以前、疑われたことがあるぐらいなので、アマチュアでこれがはびこっていても、不思議はありません。実際、多いとは言えないにせよ、ユーチューバーなどでも、ソフト指しの人が出てきています。
ソフト指しの人は論外ですが、よりタチの悪いことには、これを取り締まる、いわゆる自粛警察的な輩が現れることで、彼らのあまりにも行きすぎた取締りは、ソフト指しでない人にまで迷惑をかけていて、目も当てられません。
これも踏まえた私の結論は、次の3点です。
・ネット将棋は、できるだけ短い持ち時間でソフト指しと当たるリスクを抑える。
・ネット将棋は、良質なユーザーと長い持ち時間でも楽しむ。
・ネット将棋だけでなく、ソフトとの対局やリアルでの対局を重視する。
要するに、ネット将棋だけでなく、さまざまな将棋を楽しもうということに尽きます。
「将棋ウォーズ」の3種類の持ち時間の攻略法については、後述していきます。