Ⅱ 二者択一は選ぶなA(9)

Pピリ将FINAL

 

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「3姉妹ピリ駒ちゃん」(制作:びわのたねさん)

 

 

Ⅱ 二者択一は選ぶなA(9)

 真面目すぎてはいけません。

 真面目すぎると、心身が堅くなります。そして、二者択一にとらわれてしまいます。

 「真面目」というのは、端的にいえば、儒の教え。忠君も大事でしょうが、部下や後輩も大事ですよね? 孝行も必要かもしれませんが、配偶者への配慮や他者への思いやりも忘れてはいけないでしょう。何より、自分自身を犠牲にするようでは、現代は渡っていけません。もちろん、行き過ぎはよくないですが、かなりの程度、わがままでもよいのではないでしょうか?

 現実世界には、さまざまな制約があります。それは当然のことです。法を犯すのはいかがなものかと思いますし、経済的な制約にはやむをえない限界もあるでしょう。しかし、それ以外の分野では、人間はもっと自由だと思います。

 最大の敵は、自分自身の自由を自分自身で無意味に束縛してしまうこと。法を犯さず、お金もかけずに、目標を達成する手段や方法など数限りなく存在するにもかかわらず、工夫したり努力したりすることなしに諦めてしまうのは、もったいないことです。

 将棋にかぎっていえば、どこまでも強くなることができます。

 将棋の本はたくさん出版されていて、図書館や古書店にも置いてあります。プロの棋譜も、昔と違っていくらでも入手できます。将棋ソフトは、安いものでも、めちゃくちゃ強く、練習パートナーとしては不足なしです。将棋の相手もネットがあるので、すぐに見つかります。動画もよいものがたくさん上がっていて見切れないほど。

 こんなに恵まれた環境にあり、お金もほとんど要らない。強くなろうと思えば、いくらでも強くなれるはずなのに、みんな、なぜか勝手に限界を見出し、あれこれ言い訳を繰り出し、簡単に(私にはそう見えます)諦めてしまっています。

 たしかに、藤井聡太先生のように強くなりたいと言われたら、少し口ごもりますが、小さな子どもなら可能性はあるでしょう。大人だったら、はっきり「無理」と申し上げますが、しかし、段を上げたり、大会で優勝したりするぐらいのことは、特殊な事情のある方を除けば、誰でもできるはず。子どもでも大人をやっつけることができるのが将棋の魅力ですし、いかさまや八百長もないので(いくらモラルから外れろと言っても、ソフト指しだけはダメですよ)、あとはやる気と工夫と努力だけだと思うのです。

 何をやればいいかわからないときは、たとえば棋譜並べをしてみましょう。私よりもたくさん並べれば、私より強くなれます。

 いつも真面目に並べなくても結構。

 駒とじゃれ合う。

 そのぐらいのつもりで、ゆるく並べる日もあっていい。