Ⅳ 形勢判断を見直そう(15)

Pピリ将FINAL

 

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「3姉妹ピリ駒ちゃん」(制作:びわのたねさん)

 

 

Ⅳ 形勢判断を見直そう(15)

 前回はVNとPNについて、私見を述べました。

 すなわち、大局観と読みという2つの極があって、その順序としては、まずVN、次にPNの順で並べ、最終的には両者をローリング、螺旋状に回転させながら進化=深化していけばよいという見通しを示したわけです。

 ただし、ここで両者を媒介するものについての意見のことも、少しだけ補足しておきます。それは、手筋ということになります。

 棋譜並べをするときにも、詰将棋を解くときにも、定跡を研究するときにも、そして実戦においても、1つの任意の駒を研究材料にしておくことをおすすめします。

 どういうことかというと、級位者であれば、飛や角にフォーカスし、それぞれの棋譜、観戦、詰将棋、必至、定跡、実戦等において、大駒がどのように活躍しているのか、していないのかに注目ポイントを置くということです。同時に、手筋の本で、飛や角の手筋をマスターするということです。

 大駒でなく、歩でも、他の駒でもよいので、「テーマとなる駒を決める」ということをおすすめします。推しの駒を定める。

 そうすることで、VNとPNという区別に、一本の串が刺されることになります。

 将棋には全部で8種類の駒しかありません。成駒を入れると少し事情は変わってくるでしょうが、この8種を任意の順番で構わないので、コンプリートすること。

 そうすることにより、すべての駒への目配りが利くようになってきます。最初はすべてに目配りするから大変ですが、慣れてくると次第にどのようなとき、どの駒に目をつければよいのか、どの駒は軽視してよいのかという力の加減、つまり簡易的な形勢判断ができるようになってきます。

 まとめると、手筋を媒介にして、大局観と読みをつなぐということをおすすめしたいということですね。