Ⅰ はじめに感動ありきB 棋譜並べ 小括

Pピリ将FINAL

 

f:id:Shouldgo:20180205143357p:plainf:id:Shouldgo:20180205143357p:plainf:id:Shouldgo:20180205143357p:plain

 

「3姉妹ピリ駒ちゃん」(制作:びわのたねさん)

 

 

Ⅰ はじめに感動ありきB 棋譜並べ 小括

 ここまで「感動」をベースにした棋譜並べについて、述べてきました。

 「高速棋譜並べ」(他の類似した偽物と区別するために「神速棋譜並べ」とも)は、私が開発したオリジナルのトレーニング法。「理解」と「感覚」という矛盾する要求を高度に両立させつつ、将棋にとって何よりも必要な「総合力」を養成します。

 回数は先手10回、後手10回、脳内10回の計30回がいちおうの目安。速度は2分以内を目標に設定します。

 序盤・中盤・終盤は、一時的に切り離すこともできますが、最終的にはそれぞれの連続性を重視し総合化していきます。

 一局を並べる時間は短いものの、30回を一気にやってはいけません。指し手は速く、回数はじっくりがポイント。

 ちなみに、この方法で、局数をこなそうとするのは愚の骨頂。局数をこなすために早指しするのではなく、1局を深く理解し、その感動を永遠に持続させることが目的です。

 したがって、高速棋譜並べだけでなく、ゆっくり並べるなどの既存の方法も積極的に併用しましょう。

 強い人は、どこからでも並べられるように鍛えます。級位者は、最初から無理せず、少しずつ、できる範囲で取り組んでいきましょう。

 私にとって、棋譜並べは、将棋の上達法の中での玉将(王様)の位置づけです。皆さんなりの工夫も交えて、棋譜並べを上達の大切な鍵にしていただければ幸いです。

 

 

 なお、本編では書き忘れていましたが、これだけの回数を並べても、忘れるものは忘れます。だから、しばらくして、また並べ直すことも、どうかお忘れなきように。

 30回並べを敢行して、3週間以内に復習するのがベスト。(有名な忘却曲線を参照のこと。)

 ですが、1年後に並べなおしてみても、それはそれで「感動」できると思いますよ。その一局に感動するだけでなく、人間の記憶というもののメカニズムに対して実感を伴った感動が得られるという意味です。

 「あれだけやったのに、もう忘れている!」という忘却力と、「あれだけ離れていたのに、まだ覚えている」という長期記憶力。その双方に驚くことができますよ。