Ⅰ はじめに感動ありきB 棋譜並べ(5)

Pピリ将FINAL

 

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「3姉妹ピリ駒ちゃん」(制作:びわのたねさん)

 

 

Ⅰ はじめに感動ありきB 棋譜並べ(5)

 最終領域に到達するには、かなりの努力を要します。もともとの棋力にもよるでしょうが、しかし、努力すれば到達できるのなら到達したいと願う人も多いと思います。

 将棋の上達法を記すときに難しいのは、読者の棋力がまちまちであるという点にあるのですけれども、有段者向けと級位者向けに場合分けして説明していこうと思います。

 

(ちなみに、子どもはこのブログの対象にはしていません。小学生は勝手に強くなれると思うので、勝手に強くなってというのが、このブログのスタンスです。最近は保護者のお問い合わせも多いのですけれども、子どもは子ども用のメソッドがあります。)

 

 有段者の場合、邪魔なのは、ある程度できるというプライドです。厳しい言い方をしますが、そのような中途半端なプライドは一回、捨ててください。

 その上で助言すると、次のような方法が有力です。

 まず、何もしない初見の段階で、純粋に棋譜を音読してみてください。もちろん、盤駒を使わず、脳内で棋譜を再現するという意味です。

 次に、盤駒を出して、何も見ず、その棋譜を忠実に再現してみてください。なめらかに再現できるようなら、このブログの対象棋力をすでに超越していますので、どうぞご退出ください。

 もし再現できないようなら、神速棋譜並べを実施してみましょう。

 その一局で特に感動できるポイント、たとえば「将来、こんな手が指せるようになりたいな」という手筋や妙手を発見した上で、何はともあれ、先手で10回、後手で10回、脳内で10回並べてみましょう。

 その上で改めて、棋譜を音読し、盤上に再現してみると、この方法の効果を実感できると思います。そして、自らのプライドをズタズタに切り裂くことにも成功するはずです。

 有段者の場合、頭で理解できているつもりというのが、恐ろしい。特に持ち駒の関係などは難度が高く、そんなに簡単にはいかないものです。

 詰将棋慣れしている人も、中盤の複雑な局面などの理解がうまく行かないでしょうし、終盤も詰む詰まない以外の局面では反対に固定観念が邪魔するところが出ています。

 いずれにせよ、棋譜並べが総合力を鍛えるという意味がわかってくれば、一皮剥けたと評してもよいでしょう。

 訓練を積んでいくと、脳内でのクリア度と速度が上がっていき、別人のようになっていきます。

 そのうち、盤駒を使わずとも、脳内だけで棋譜を再現できるようにもなっていきますが、私の場合は、年齢もあるのでしょうが、いまだに盤駒を使うようにしています。