Ⅳ 形勢判断を見直そう(9)

Pピリ将FINAL

 

f:id:Shouldgo:20180205143357p:plainf:id:Shouldgo:20180205143357p:plainf:id:Shouldgo:20180205143357p:plain

 

「3姉妹ピリ駒ちゃん」(制作:びわのたねさん)

 

 

Ⅳ 形勢判断を見直そう(9)

 将棋には基礎、基本というものがある。そして、それを反復し、徹底することしか原則的には道はない。

 このことは真実です。有段者であっても、実は基礎、基本がなっていないことが多いです。みんな、胸の内では分かっているのだけれども、どうしてもロマンを求めてしまうのですね。勉強したくないのですね。ただの遊びだと思いたいのですね。

 厳しいことを申し上げますが、実は「自分自身が『遊び駒』かもしれない」という発想がないと、いつまで経っても上達しません。自己否定、自らを疑う、とでも言い直しておきましょうか。

 駒損しない。玉を囲う。攻めは、飛角銀桂。一歩千金。遊び駒をなくす。終盤は駒の損得より速度。

 詰将棋。定跡。観戦。棋譜並べ。次の一手。必至。凌ぎ。駒落ち。実戦。

 このような基本だけで、三段でも四段でもなれるのに、いろいろと言い訳して、基礎や基本を回避する。なんぞその本(基本)にかへらざる?

 大局観で難しいのは、このような基礎基本から外れたとき。しかし、その反対をつけば、基礎・基本から外れなければ、大局観は必要ないとも言えます。アマチュアの将棋は、「いかにすれば自分だけ基礎・基本どおりに指せるか」というテーマを追求することであって、応用問題はどうでもよいです。

 大切なことなのでもう一度、繰り返しますが、基礎・基本をしっかりやってください。私のところへ来る人は、基礎・基本をやっていなくて、一攫千金をねらう山師が多すぎます。

 なお、ここでいう基礎・基本とは、人間としてのそれ、早寝早起き、栄養と休養と運動、礼儀作法といった面から、仕事の充実、人間関係、時間の管理、心身の健康といったところまでを含みます。

 このような基礎・基本を追求した上で、ほんの少しだけ、応用(遊び)を入れる。これが完成図のイメージです。