Ⅱ 二者択一は選ぶなB 持ち時間(9)
Pピリ将
「3姉妹ピリ駒ちゃん」(制作:びわのたねさん)
Ⅱ 二者択一は選ぶなB 持ち時間(9)
正と、邪では、どっち?
二者択一は選ぶな。邪の度合いにもよりますが、どちらも選択する余地は残しておきます。
ソフト指しや切断などの明らかな反則は、排除。しかし、それ以外のルール内でのことであれば、私は排除しません。
全駒はさすがに人間相手にはめったにやりませんが(よほど暇で、無礼きわまりない人間にはやることもないではなかった)、反則すれすれの技は、一通り、会得しています。
皆さんにおすすめするつもりはないので、参考程度にお読みいただければと思いますが、時間責めがらみでいくと、次のようなものがあります。
◆王手ラッシュ
◆自玉がため
◆敵陣自陣の交互指し
◆遠くからの王手
◆とりあえず王手
◆大駒責め
こちらに余裕があり、相手の時間が少ないときは、形勢にもよりますが、100%近い確率で、こちらが勝てるという技を会得してありますし、この方面の開拓には余念がありません。
反対に、こちらに持ち時間がなく、相手のほうが上回っている場合は、絶対に勝てない場合は投了するものの、やはり独自の戦略で頑張ります。こちらの時間を消耗する交互指しは避け、王手を中心に組み立てます。
ただし、ここしかないという最良のタイミングで一転ひるがえって守りに入り、相手のリズムを崩すことを狙います。
盤面を広く使って、相手の視線をあちらこちらに動かす(散らす)ことが時間責めの基本になると思います。
もちろん、相手も同じことをやってくるので、それを想定し、それを上回ることも求められます。持ち時間がなくなってきたら、「思い出王手」には常に備えておきましょう。
できれば、単なる合駒を用意するというのではなくて、逆王手のような必殺技を狙っておくとよいでしょう。
盤上の勝ちと時間での勝ちの両天秤にかけるのが、時間をうまく使う極意です。
これらとは視点が異なりますが、終盤で勝ちになったときに落ち着くために残った持ち時間をたっぷり使って、深呼吸して、間違いがないか確認することも大切です。
ケアレスミスを防ぐのはもちろん、相手に苦手意識を植えつけるということでもあります。大山流の盤外戦術。
1手詰めなのに、なかなか最後のとどめを指さない人がいます。あれはイライラしますね。私は基本的に最後の1手まで指す派ですが、しかし、最近は明らかに負けの場合は、形づくりをして投了することを心がけています。