Ⅲ 盤外こそわが戦場B 実戦以外(2)

Pピリ将FINAL

 

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「3姉妹ピリ駒ちゃん」(制作:びわのたねさん)

 

 

Ⅲ 盤外こそわが戦場B 非実戦(2)

 答えは唯一なのですが、繊細に記述していきます。

 唯一の答えというのは、

 「実戦も必要だが、実戦以外も必要。」

という、まことに身も蓋もない結論なのですが、どちらにアクセントを置くかという問題は残るわけです。

 実戦不足の方は、前のほうにアクセントを置きましょう。実戦ばかりで強くなれないよという方は、その反対に後ろのほうにアクセントを置くべし。

 まず、実戦不足の方にアドバイス。結果は度外視して、とにかくバンバン指しまくりましょう。経験値を積むことが目的なのですから、連敗したって、そんなことは細かいことと開き直って、気にしちゃいけません。むしろ連敗記録を勲章にするぐらいの強いメンタルを身につけるぐらいの意気込みです。

 実際、たくさん負けて、それで強くなったら、あとで笑って振り返ることができますよ。武勇伝にしてしまう。

 何の苦労もせずに成功したという話ほどつまらないものはないので、失敗した経験を後に語るためと思って、負けまくりましょう。

 私自身も負けまくって強くなりました。かつて将棋倶楽部24で、負けて悔しいものだから指しまくっていたら、メンタル崩壊してしまい、むきになればなるほど勝てなくて、負けに負けたり、最後は気づいたらレーティングが0まで落ちてしまいました。

 「堕ちきれば後は上がるだけ」とはよく言いますが、実際にここまで指しまくり、負けまくった人も珍しいかと思います。

 もちろん、この後、どんどん勝って、元のレートを取り戻し、越え、初段になり、二段になり、三段になりと、授業料に見合った成果をあげることができたのですけれども、あそこで指しまくり、負けまくったことは、間違いなく糧になっています。

 経験値とメンタルの両面で、得るものがありました。

 覚えた手の方、初級の方は、当たり前ですが、簡単には勝てるようになりません。将棋で最も大変なのは、ここだと思います。しかし、だからといって、結果を気にしすぎて、対局すること自体が怖くなるのではいけません。

 最初からうまくいく人などいないのですから、負けることを恐れず、教わるという姿勢で頑張っていきましょう。結果よりもプロセス重視。昨日よりも今日、今日よりも明日。成長が認められれば、万事OKなのです。最初のうちは、自分との戦いだと考えてみてください。

 弱い人は、とにかく指しまくってください。わけがわからなくても結構。とにかく慣れること。9×9の将棋盤に慣れ親しむだけでも得るものはあるのですから、とにかく対局時間、対局の局数を積み重ねていくことをおすすめします。

 負けても楽しそうにしている教え子がいるのですが、素敵ですね。才能を感じます。将棋は勝って楽しく、負けて悔しいゲームではあるのですが、負けて悔しいだけなら、皆、負けてばかりいると辞めてしまうはずなのに、実際はそうなっていないから、単なる勝ち負けで割り切れるゲームでもないという予測が成り立ちます。

 誰かが言っていましたが、勝ち負けだけなら、じゃんけんすればいい、と。

 そうです。将棋はじゃんけんとは違った楽しさ、別の言い方でいうと、奥深さがあるのです。

 というわけで、対局不足が原因の方は、臆せず、バンバン指しまくりましょう! 負けても、もう一丁! と、その気概ですよ。