Ⅱ 二者択一は選ぶなA(2)

Pピリ将FINAL

 

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「3姉妹ピリ駒ちゃん」(制作:びわのたねさん)

 

 

Ⅱ 二者択一は選ぶなA(2)

 「二者択一を選ぶな」ということは、隠れた選択肢や正解を見つけるということを意味しています。

 たとえば、一般的に「二択だと思わされているもの」の多くは、両方正解かもしれないし、両方不正解かもしれないわけですね。つまり、AかBかという二択問題は、実は冷静に考えてみると、A、B、A&B、AでもBでもないの四択、というのが真の姿だというわけです。

 もちろん、ちゃんと考える人の洞察力は、その程度で収まるわけもなく、「これは本当に二択(四択)なのか?」という懐疑に向かうはず。実は三択であるものを故意に二択に仕立て上げている可能性(危険性)も十分にあるわけです。

 たとえば、受験でマークシート式の問題ばかり解かされた上、将棋を指すということをしていると、このような罠にいとも容易くひっかかりやすい人間になってしまいます。

 一般的に勉強ができる人は褒められますし、将棋が強い人は讃えられると思います。けれども、どんな分野にも当てはまりますが、一つが卓越する者は、別の何かを失っている可能性(危険性)があるということを常に警戒しておく必要があるのではないでしょうか?

 「二者択一」思考などは、その典型的な一例と言えそうです。

 もう少し掘り下げておくと、「○○だけでOK」的な思考も非常に危険です。このような単純な詐欺に引っかかるのは、単純化の欲望に負け、複雑な海へ漕ぎ出す勇気が弱まっている証拠。

 別の選択肢があるにもかかわらず、提示せず隠しているパターンに決まっているのに、眉に唾をつけることすらできない。厳しい言い方をすれば、このような人間は、そもそも知的なフィールドに立つ資格はありません。

 けれども、引っかかる人が多いから、このような文句がこの世から消えないのですけれども・・・・・・。被害に遭っている方もいるでしょうし、何より目障り。なので、将棋を普及するなどして、日本の知的水準をもっともっと上げて、この世から悪徳商法は一掃したいものですね。

 と、ここまで書いておいて、ある商法を叩きにかかりたいと思います。それが「詰将棋だけで強くなれる」商法です。

 冷静に根本から考えてみてください。そんなことがあるでしょうか? 

 詰将棋なんて、最後の数手だけの問題に過ぎません。将棋には序盤もあれば、中盤もあるし、終盤も詰みに行くまでには、それなりの紆余曲折があります。詰将棋だけで強くなれるはずがないではありませんか?

 私は何も詰将棋を目の敵にしているわけではありません。詰将棋も1つの上達法としては受け入れています。実際、藤井聡太先生は、詰将棋で強くなった棋士です。

 しかし、詰将棋だけで強くなったわけではないということも事実です。もし、藤井先生の棋力を詰将棋だけと短絡するのであれば、それは謬説でしょう。たしかに、詰将棋が多くを占めているのかもしれませんが、藤井先生の将棋は、総合的に評価されるべきだと私ごときでも確信しています。

 ちなみに、先の「詰将棋」に別の上達法を代入していただいても、一向に差し支えありません。

 いわく「棋譜並べだけで強くなれる」「実戦だけで強くなれる」「ソフトを使った研究だけで強くなれる」・・・・・・

 これらは、すべて嘘っぱち。

 「○○だけで」言説は、プロ棋士の先生ですら使っているので驚きますが、信じてはいけません。

 将棋が強い人が、将棋を上達させるのがうまい人とは限りません。また、将棋が強い人が、真理を語れるとも限りません。むしろ、将棋の天才は、言語化するのが不得手ということもないではないわけです。

 もちろん、将棋が強くて、将棋を教えるのも上手で、真理を語り、言語化も得意というタイプの先生も何人かいらっしゃいますが、これは貴重な例外というべきではないでしょうか。

 ともあれ、「○○だけ」という言葉に飛びつく愚だけは避けましょう。

 このブログでは、そのような安い商法を徹底的に回避することを目指しています。ある1つの例外を除いては。